まだらに灰色

発達障害グレーゾーンと判定された息子と歩む日々をつづります。当面はおもに、TMS治療の経過についての記録。※本ブログの内容はあくまで個人の主観であり、記載の検査や治療の有効性を示すものではありません。

TMSによる発達障害の治療

診断結果の説明後、希望することで先生から治療の選択肢として、TMS治療についての説明を受けることができる。

発達障害の治療とは

一般的に行われているのは、投薬による治療とのこと。実際に、多動が落ち着いたり本人の気持ちが楽になることはあるとのこと。ただし、特に子供には副作用が多く、あまり勧められないとのこと。

大人でもつらい人が多く、投薬量を減らしたいとクリニックを訪れる人も多いとのこと。

TMS(経頭蓋時期刺激) による治療とは

人間の脳は、シナプスで沢山の回路がつながった状態。通常であれば、不要な回路は寝ている間に少しずつ整理され、なくなっていくらしい。発達障害特性を持つ人は、その整理がうまくいかず回路がショートしている状態。

TMS治療は、頭に磁気をあてる?ことで、いらない回路を切り、ショートしている状況を改善していく。これにより、治療時のみの改善ではなく、寝ている間の回復機能も改善を見せるようになる。

明示的な副作用は確認されていない。治療に用いる磁力は、人体に影響がないと言われているMRIよりも数段低いレベル。発達障害特性のある人は、一定の機能が常人よりも優れていることもあるが、TMSではその強みが消されることはなく、弱いところが緩和されるとの説明を受けた(そんなメリットばかりなことがあるのか?)。

TMSによる刺激は、健康な人にとってもよい影響があると考えられており、こちらのクリニックでは医師やスタッフも実際に受けるように言われて定期的に受診しているらしい。受診後は寝つきがよくなるなど体調によい影響があるとのこと。

効果はどれくらいででるのか

通常、2週間に1回の照射(間は1週間ほど空ければ問題ないらしく)を行う。

8割以上の人が(9割だったか...)8~16回の照射で効果が出ているそうだ。逆に、16回目までに効果が見られない場合、32回続けても効果が感じられないことが多く、16回が1つの判断ポイントとなるようだ。

効果の出方だが、1回ごとに劇的に効果がでるというよりは、ふと気づくと緩和されているか?という感じらしい。本人ではなく、家族が気づくケースが多い。ちなみに、発達障害の特性は遺伝であることも多いようで、家族にも同様の特性がある場合が多くあり、一人が効果があると、家族も一緒に治療するというケースも散見されるらしい。

なお、子供のほうがTMSの効果がでやすい傾向にあるらしく、先生からは「よく薬などに頼らず、TMSの情報を見つけてここにたどり着いてくれましたね。来てくれてよかった」と若干、宗教の匂いのするコメントをいただいた。うっかり「もう大丈夫ですよ。」と勝手に脳内変換少し、泣きそうになってしまった。

唯一のデメリットは治療費

医師からの説明を受け、TMSを受診してみようと思った場合、再度、カウンセラーの方が登場し、価格について説明してくれる。

発達障害に関するTMS治療は、まだまだ国内の事例が少なく、自由診療扱いである。そのため、価格を聞くとびっくりするくらい高い。以下は、税込価格。

 

 回数   8   16   32   48
簡易法 155,000 284,800 489,600 691,200
 円/回 19,375 17,800 15,300 14,400
標準法 194,000 357,600 614,400 864,000
 円/回 24,250 22,350 19,200 18,000

簡易法、標準法とはTMS治療の方法である。簡易法は、なんとなく右側といった感じで漠然と照射をするが、標準法は頭のサイズを測り、個人にあった照射位置をミリ単位で特定し、照射を行うので効果がでやすい(かもしれない)というものである。

個人にあった照射位置の特定を行う方法は、特許を取得しているらしい(見た感じ、結構、原始的な方法だった)。

回数については、概ね、16回の照射で効果が確認できること、16回ごとにQEEG検査を実施し、効果を画像としても確認できることもあり、16回コースを申し込んだ。方式については、7:3の割合で、標準法を選ぶ人が多いと聞き、標準法を選択した。

支払いにはクレジットカードが利用でき(使えるカードブランドには制限があった気がする VISAはもちろんOK)、クリニックが提供する分割払いが仕様可能。16回の場合は、頭金一割を支払ったのち、利息なしで3分割が利用できた。

なお、治療を途中で終了するばあいには、違約金として2回分の照射費用を支払うものの差額の返金が受けられるとのこと(回数を決めて申し込んだ後に説明された)。また、治療費は医療費控除の対象である。

帰宅してから、ふと、これは16回の治療を受ける場合も、32回コースで頼んで解約したほうが安かったのでは?と思ったが、価格設定の主旨に反するので気にしないこととした。コロナで決断した受診だけに、コロナの給付金を当てたいと思う。

 

ここまでの対応で、約2時間が経過していた。申し込み後、すぐに1回目の治療ができるとのことで、この日は治療を行い帰宅することとした。治療の様子は、次の記事に記す。

grayarea.hatenablog.jp

 

余談)患者の層

大人が多く、中高生を数人見かけたが、小学校低学年以下の子供はほぼ見かけなかった。先生の話では、子供の症例も多いとのことではあった。